落ち込み激しい“覚醒運動”

(57･5･16付)

　正信会に率いられた檀徒会が去る十一日、東京・品川区で第七回大会を開いた。落ち込みの激しい檀徒達になんとかカツを入れたかったようだが“猊下の悪口ばかり並べるマンネリの大会で、もう、へきへきした”とは、ある参加者の声。大会の参加者数も一昨年八月の大会をピークに、回を重ねるごとに激減している。｢目標を達成した｣｢学会は崩壊寸前、あと一歩｣と正信会の僧がいくら力んで笛を吹いても、檀徒は思うように踊ってはくれない。“覚醒運動”の低迷ぶりはここにも如実。

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　｢継命｣の最新号では、正信会の邪義・異義をなんとか隠ぺいし、自己を正当化しようと躍起になっている。その一つが久保川法章の発表した｢世界宗教への脱皮｣と題する論文についてのもの。いわく｢宗務当局は一ぺんの事情聴取もせず、論文の一部を故意に歪曲して解釈、血脈否定と決めつけ、同師に対して擯斥処分｣と。いかにも宗務当局が不当な処分をしたかのように書いているが、まことにあきれはてた言いがかりである。

　金口嫡々唯受一人の血脈相承を天孫降臨の神話と同列に論じ、現実にはありもしない作り話だと決めつけている久保川論文の邪義は、だれの目にも明白である。

　｢故意に歪曲して解釈｣というなら、久保川の論文をそのまま引用してさしあげよう。｢日興上人は法水を流す血脈の管は、法主と大衆の二本を用意し、法主の管が故障して通らなくなった時、破れて汚水が流れ込む時、法水は自動的に大衆の管を使って流れるように万全の工夫を施されたのであって……血脈は法主だけが継承したという考えは間違いであり、大衆も又血脈相承の要員であった｣(｢世界宗教への脱皮｣）

　更に、｢戒壇の大御本尊と雖も、即久遠元初の自受用報身如来であると断定するわけにはいきません｣(｢仏生｣)との論文もある。

　こうした久保川の言動は、宗門伝統の法義・信仰を破壊する未曾有の大僻見、大謗法であることはいうまでもない。

　この久保川の異流儀を正しいと認めている一点でも、正信会の謗法は明らか。

　かつて本欄で｢正信会の佐々木秀明は『戒壇の大御本尊を拝し奉るのみこそ信心の根本と教えているのは誤り』ともいっていることを、どう弁明するのか」と指摘した。

　これに対し佐々木は｢継命｣紙上で弁明にならない弁明を開陳している。いわく｢決して御本尊を蔑(ないがし)ろにしていないことは、いつでも明言しているではありませんか｣と。

　戒壇の大御本尊を否定する久保川論文を正論として認め、また、そうした人物を正信会の会長として仰いでいながら｢蔑(ないがし)ろにしていない｣とは、まことに浅ましい。謗法の異流儀を呵責(かしゃく)せず、かえってそれにくみするのを、大謗法というのだ。

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　邪義を唱えて改めようとしない正信会。厳正な処分をうけて｢法難だ、法難だ｣と騒いでいるようだが、あわれなことである。